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Biogon 2/35 ZM

 ビオゴン2/35ZM。新品で買った5本めのレンズであり、現在手許にある100本以上のレンズのうち、唯一の新品レンズでもある。ズミクロン2/35よりは少し大きく、往年のツァイス35ミリレンズと同じくらいだ。鏡胴デザインはライツのMマウント玉に似ている(レンズ着脱指標や被写界深度目盛脇にでかでかと刻まれた焦点距離数字など)ものの、ピントリングの指がかりやフィルタバヨネットはコンタレックス用レンズのそれである。絞り指標が1/3刻みで刻印されているのはともかく、クリックストップまで1/3なのには恐れ入る。繰り出しの回転角はライツ玉よりも小さい。

 レンズ構成は伝統的な対称型ビオゴンタイプをすこし崩した感じで、曲率の強い前玉がいかにも広角レンズらしさを醸し出している。いったいズミクロンMでもMヘキサノンでもそうだが、最近の高性能な広角レンズは前玉が凹面を向けていて、実にレンズらしくなく味気ない。もちろん味気なさと写りとは無関係なのは承知の上だ。それでも雰囲気と云うものは、アマチュアフォトグラファにとって写欲をかき立てる大事な要素なのである。

 描写はとにかく優秀この上ない。35ミリにしては深度は少し浅めで、そのためか開いて使うとピントのあったところの立体感は凄まじい。カラーでの写りは知らないけれど、シャドウの描出力も秀でていると云えようか。ただ明暗差が大きいと表現はちょっとハイコントラストにすぎる。これは現代レンズの宿命かもしれない。
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Leica M4-P + Biogon 2/35 ZM. ILFORD DELTA 100
by y_takanasi | 2005-07-08 09:25 | Biogon2/35ZM*


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