作者と作品

 例のゴーストライターの一件で、世人は作品の背景にある物語性を作品評価の基準に屢々、と云うか頻繁に採用することが白日の下に晒された。わたくしは作品至上主義者であるが故に、その姿勢を徹底して批判する訳だが、また一方で、作品と作者は決して切り離し得ないが故に背景の物語性をも作品に積極的に利用すべきだと主張する一派があることも理解している。そしてまたわたくしも、その根拠たる部分を否定しないし、否定できない。否定できないからこそ、作品と作者を切り離すことに心血を注ぐのだ。これはどちらが鑑賞、評価態度として正しいかの問題ではない。所詮この世に純たるものがない以上、わたくしはせめて作品鑑賞の場においてその純たるものを追い求める。人間の活動に限界があるということはまた、作者と作品を切り離すことがが不可能であるという判断も100%真であるとは限らないということだ。それが悪魔の証明であることは百も承知だ。だがそれゆえに、わたくしは可能の証明を求めて純然たる作品評価を追求するのである。
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by y_takanasi | 2014-05-10 21:50 | Sonnar2/85


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