覚悟

 わたくしの瞥見する限り、現代日本の現代アーティストとは、彼らの気に入らぬ権威やルールにはだだをこねて抵抗したり破ったりするが、都合のいい権威とルールにはひたすらすり寄って作品や自身の箔付けに利用すると云う職業である。これほどダメ人間に適した職業もそうそうないだろう。もとより芸術家は多分に稚気を含んだダメ人間の気が強いものだし、それをもって完全に断罪するつもりもない。そう云う人間によって生み出された作品になにがしかのセンセイションに訴えるものがあれば、一人以上の支持者がいたっておかしくはない。そしてアートの良し悪しは、単に支持者の多寡で決まるものでもない。

 わたくしが日本の現代アーティストに危惧するのは、アーティストは治外法権だと勘違いしている輩が増えているという点だけである。ともすると同じように勘違いするバカが湧くのだが、表現手段において社会ルールを逸脱すること自体を全否定するのではない。もちろんだからと云って許すつもりもないが、そもそも許すかどうかはルールによるものであって、ルールを逸脱している以上、それは許されないことだろう。だがアーティストには、それを犯してまで表現する自由がある。そうしてこれは自由であって権利ではないのだから、おのれの作品によって惹き起こされた批判と、ルール上の罰則は必ず受けなければならない。それが自由の対価であるのだが、はたして世の自称現代アーティストたちにその覚悟はあるか。
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by y_takanasi | 2014-05-11 22:10 | Sonnar2/85


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