クラカメの研究という遊び

 クラシックカメラに関する研究というのは、これは一種の考現学である。前世紀の後半から始まって、まだ日は浅いがその文献資料はかなりの量に上っている。もちろん、1次資料も数多い。そうして通説という幾つもの定見が巷間に流布して、これに導かれ、また惑わされることも多い。文献というのは先人の知恵の蓄積であり、これをひとりびとりが逐一検証することは不可能であるし、時間の無駄でもある。そもそも万事がその調子では、人類文明科学技術は発展しない。それにも拘らず、世紀の発見や発明は先賢の知恵を転覆することで成し遂げられてきた。それは偶然であったのか。恐らくはそうである。すべての先人の知に疑いの眼を向けるというアルゴリズム的手法は、確実ではあっても時がそれを許さない。それゆえ多くの発見は偶然とヒューリスティクスによってなされたのであり、結果的に幸運の女神に愛された者だけの手にそれは帰したのだ。

 クラカメ考現学の中にも、この手の罠が待ち受けている。すべての通説は覆される可能性を秘めているが、さりとてすべてを疑う必要もない。先人の知恵は、ただそれだけでも尊重する価値がある。だが、あなたの経験と興味の集中とがそこになんらかの綻びを見出したのなら、新しい発見が待っているのかもしれない。
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Leica M3 + Summar 2/5cm. ILFORD DELTA 400
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by y_takanasi | 2005-12-04 20:37 | Summar2/50


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