Ikonta

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 コンタックスで35ミリ判市場に乗り出したツァイス・イコンも、この市場を拡大することには苦心していた。スペックダウンバージョンとして投入したスーパーネッテルやネタックスは期待したような結果を残せなかったし、先駆者ライツのライカスタンダードもDIIやDIIIほどの売れ行きを見せなかった。そこに登場したのがコダックのレチナであり、このレチナをもって35ミリ判市場は真に拡大の途についたと云える。

 レチナを追う各社の攻勢は多種多様だった。ヴェルチ、バルダ、ツェルトその他の中小企業が挙って簡易版小型カメラを投入し、それはレチナほどではなかったにせよ、それなりの成功を収めたのだ。ツァイス・イコンがこれまでの技術至上主義的なスペックを脱した35ミリ判カメラを投入したのは、大戦が始まった頃であった。イコンタ35またはクライン・イコンタと呼ばれる折畳み蛇腹式のそのカメラには、距離計もセルフコッキング機構もついておらず、正にツァイス版レチナというべき風情を有っていた。激しさを増す戦争のためイコンタの製造はすぐに止まり、公に量産が始まったのは戦後のことだ。

 戦後最初のイコンタは、生産ラインはもちろん、ツァイスそのものが混乱していたため、各種のバリエーションが見られる。どれが正規品でどれがイレギュラー(改造)かも判然としないのだ。僅かに最初期型にはアクセサリーシューがなく、また巻き戻しボタンの位置が異なることが判っている。レンズは標準がトリプレットのノバーだったが、クセナー付きや、のちにはテッサー付きも出回った。このイコンタをベースにして、コンティナシリーズが始まることになる。
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Ikonta (NOVAR-ANASTIGMAT 3,5/4,5cm). AIKO LIGHTPAN 100 SS
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by y_takanasi | 2005-12-17 21:50 | Ikonta 35 (Novar)


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