やつあし

 わたくしいまだに虫がすきで、閑にあかせて虫類図鑑を眺めてたりするのだが、それでも余り興味の湧かないジャンルと云うものはある。例えば甲虫とか鱗翅目とか。世の虫好きとは違い、わたくしはコガネムシとかアゲハチョウには大して興味を惹かれないのだ。わたくしにとって虫とはトンボやバッタ、そしてクモである。特にクモは面白い。わたくしが見たクモの中で一番美しいのはアオオビハエトリだ。体長5、6ミリ程度の小さな徘徊性のクモだが、緑色のびろうどのような体で、コバルトブルーの縁取りがある。カワセミが渓流の宝石ならば、アオオビハエトリは地べたの宝玉であろう。ハンミョウなんか目じゃないのだ。造網性のクモならジョロウグモである。その名の通り、紺、黄、紅の派手派手しい妖艶さは他の虫の比ではない。

 ではかっこいい(子供たちは美しいものよりもカッコいいもののほうがすきだ)クモとなると、これはジグモの一族から選ぶことになろう。例えばオオクロケブカジョウゴグモなんかは精悍で力強さに溢れている。体長は4サンチ近くもあって、歩脚も入れると10サンチを優に超える、地中性としては最大級の日本産クモ類である。残念ながら琉球列島にしか棲息しないので、本土人が目にすることはまずない、そんな本土人にお誂え向きなクモはやはりアシダカかオニグモということになろうか。大半の人にとってはかっこいいと云うより不気味極まりないクモであるが、いずれも益虫であって、大体日本産のクモ類はそのほとんどが衛生害虫を駆除する、人間に大変優しい虫なのである。とゆうわけで、夜のクモは敵に似てても殺すな、とわたくしは云いたい。
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by y_takanasi | 2009-03-12 20:42 | MIR-24N


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