カテゴリ:ORION-15( 6 )

のびちぢむ

 わたくしズームレンズと云うものを、デジカメを除いてここ十年以上、使ってない。別段ズームが嫌いな訳じゃない。性能が単焦点にひけをとるなんてばかげた偏見も有ってない。単にわたくしのスタイルに合わないだけだ。その昔はヤシコンの28-85なんてくそでかい玉を使ってたけど、よくよく思い返すにその両端でしか使っていなかった。確かにそれでも、2本持たずに済むのは便利だったが、28ミリなんて旅行でも行くときにしか使わないし、専ら85ミリで撮ってたことを考えると、こんなでかいシロモノを抱えて歩く理由は余りない。それに28から85まで、どの距離でも使えると云うのが色気を生んで、目を養う妨げとなっていた。折からRFカメラに転んでSLRの出番が激減すると、もはやズームの居所はなく、真っ先に処分の対象となって以来、ズームレンズには触れていない。
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Kiev4am + Orion-15(6/28). Tri X
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by y_takanasi | 2008-08-01 19:27 | ORION-15

にじゅうはち

 うちには28ミリレンズが2本しかない。1本はテッサーで、もう1本がこのオリオンだ。28ミリはとても苦手な焦点距離である。21ミリみたいに広くもなく、35ミリのように適度な狭さもない。どうにも中途半端で扱いに困るのだ。だからコレクションの範疇にある上記2本以外に触る気はないし、興味も沸かない。おかげさまで世にごまんとある28ミリ玉に手を出す泥沼からは、逃れられている塩梅である。
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Kiev 4am + ORION-15 (6/28). Tri X
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by y_takanasi | 2007-09-17 20:58 | ORION-15

名無しの権兵衛

 ノーネームキエフというカメラがある。一頃はノーネームコンタックスと呼ばれていた。ゾナーが標準レンズとしてついていて、前板にあるべきカメラ名が刻まれていなかったからだ。カタチは戦前のコンタックスそっくりだったけれど、よく見ると微妙に違うのがわかる。例えばスタビライザーシューがついてなかったり、巻き戻しノブが円筒形だったり。つまりこれはキエフ4aのネームレス版だったのだ。

 ノーネームキエフが生まれた理由には諸説ある。一般的にはキューバ危機に際して輸出減少を恐れたソビエトが、西側向けキエフに刻印しなかったと云われている。真偽はどうあれ、前板に名前のないキエフがこの世に存在するのは確かだ。物珍しさも手伝ってか市価はちょっと高めだが、ノーマルのキエフ4aと何ら変わるところはないので、コレクター以外には用のないアイテムであろう。
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Kiev 4am + ORION-15 (6/28). Tri X
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by y_takanasi | 2007-09-07 17:34 | ORION-15

ОРИОН-15

 ソ連製コンタックスレンズの中で、ひと際異彩を放つのがオリオン15である。ヘリオス94も、標準レンズのくせに外爪レンズと云う面白い構造をしているが、レンズ構成はフツーのガウス型だし、写りも優等生だからガジェットとしての面白みは余りない。その点、オリオンは何しろトポゴン型だ。面白くないわけがない。

 純粋なトポゴン型35ミリ判レンズは本家とこのオリオン、それにニッコールがあるだけである。しかし本家が色々と取沙汰されるのに比べて、オリオンはどうも話題に上ることがない。それほど珍しいレンズでもないのに、この無視されっぷりは気の毒だ。おまけにオリオンは、本家よりも描写性能が良好なのである。確かに開放値はF6と、トポゴンより1段半ほど暗い。でもこれは絞りがそこまでしか開かないようになっているからで、元々の性能は4か4,5くらいはあるだろう。そこを敢えてF6で止めたのは賢明だった。しかも同じF6でも、トポゴンを絞った時と比べてずっと尖鋭でハイコントラストなのは、光学的設計が良いのだろう。

 唯一と云っていい欠点は、被写界深度目盛がないことだ。広角レンズでこれがないのは致命的と云っても良い。オリオンはトポゴン同様、距離計にも連動しないし、第一この手の広角玉は置きピンでスナップに使うものだから、深度目盛は必要不可欠なのだ。もっともそんなものは、F8での間隔を覚えておけば、大体用に足りると云えば足りるけれども。
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Kiev 4am + ORION-15 (6/28). Tri X
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by y_takanasi | 2007-09-06 16:38 | ORION-15

キエフカメラ

 キエフと名のつくカメラは、ウチには今現在5台しかない。48年物と49年物のキエフII、53年物のキエフIII、そしてキエフ5と、ずっと新しいキエフ4amだ。ビンテージのキエフはほぼ戦前型コンタックスと同じ操作感で、少し粗雑というか、荒っぽい感触がある以外は、忠実なコピーである。レンズもツァイスのそれを受け継いでいるので、ソビエトぽさは風格のみであろう。一方キエフ5は、コンタックスの正常な進化形とも云うべきシロモノだ。頭でっかちで重たいことを除けば、クロコンと大して変わるところはない。ファインダーは割合に見やすいし、パララクス補正も利く。変なところについてる巻き戻しクランクも存外に使いやすい。専用の外爪標準レンズであるヘリオス94はなかなかの描写力だろう。

 キエフ=コンタックスシリーズの掉尾を飾るキエフ4amは、巷間云われる工作精度の悪さにも拘らず、使い勝手は頗る良い。ほどよく使われた個体は適度にパーツが摩耗して、意外と操作感もスムーズだ。とってつけたような巻き戻しクランクだけは褒められたものではないが、実際、ノブ式よりも扱いにくい。それ以外はクロコンとほとんど同じだし、シャッターボタンもフィーリングが良い。個人的な感触では、シュツットガルトのaシリーズよりも好ましいカメラである。
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Kiev 4am + ORION-15 (6/28). Tri X
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by y_takanasi | 2007-09-05 14:58 | ORION-15

ORION-15

 戦後のソビエト製RFレンズのうち、ルサールと並んで評価の高いレンズがオリオン15、6/28である。構成はトポゴン型だが、ツァイスのそれは4/25であり、独自の改良が為されたものと思われる。そうしてその改良は、なかなかに優れたものだった。というのもオリオン15は、開放からハロも少なく、極めてシャープでコントラストの高い絵を描き出すのだ。オリジナルのトポゴンが開放はもちろん、F6まで絞っても柔和な絵を作り出すのとは随分と性格が違う。

 面白いことにオリオンは、開放絞りでも絞り羽が開き切らず、まるで目玉のように虹彩絞りを覗かせている。これをとっぱらってしまえばF5,6か4,5くらいになるのかもしれないが、誰かやってみるひとはいないだろうか。

 それからなぜか、このレンズだけはLTMよりコンタックスマウントのほうが高い。場合によっては倍近い差がある。ほかのソビエトレンズ、例えばユピテル3とか9とかは、ほぼ同じかLTMのほうが高いのに、生産数の違いなのだろうか。

 とまれ、28ミリと云う焦点距離はやっぱりわたくしにとっては特殊なものなので、このオリオンさえあればあとは特別欲しいとも思わない。
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Kiev 4am + Orion-15(6/28). ILFORD XP2 Super
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by y_takanasi | 2005-08-03 07:52 | ORION-15