カテゴリ:Retina Ia (Ektar)( 10 )

終わりの始まり

 正しい、と云うよりも真性のフィルム写真好きは、フィルムがなくなった時ではなく、フィルムカメラの新製品が出なくなった時にこそ、その活動を停止すべきなのではないか、と最近思う。フィルムに最適化されたカメラやレンズの新製品が開発されなくなるということは、進化発展をやめたということだ。それが技術的に不可能になったのかどうかは無関係に、ただ進化をやめた、と云う点が重要なのだ。従ってそれ以降のすべてのフィルム写真は、過去の残滓によって生きながらえているわけであり、これは退行、緩慢な死なのである。たとえ感材が進化を続け得たとしても、現像方法に革新があったとしても、そこに像を結ぶシステムが「死んで」しまっている以上、すべてはただのノスタルジーであり、亡き子の歳を数えるようなものだ。

 もちろん、わたくしはそれが悪いとは云っていない。わたくし自身がその亡き子の歳を数える親である。だからこそ云いたいのだ、フィルム写真に拘泥する輩は、進歩に背を向けた頽廃の徒なのだと。そしてそのことをよく肝に銘じておくべきなのだと。
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Retina Ia (Ektar3,5/50) ILFORD XP2 super
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by y_takanasi | 2014-04-06 23:04 | Retina Ia (Ektar)

ひゃくさんじうご

 コンタックスレンズでこれまでにただの1回しか使ったことのない玉がある。持っていないビオターと18サンチゾナーは別として、ゾナー13.5サンチだ。この13.5サンチと云う焦点距離、けして嫌いでも苦手でもないのだが、ナゼかろくに撮ったことがない。王様のゾナー4/135も、エキザクタマウントのマイヤーオレストール2,8/135も、ユピテル11も、ただの1回だけだ。2回以上撮影に持ち出したのは、エルマリート2,8/135だけである。クロコンで使わない理由は多分、ファインダーの問題だ。ターレットファインダーは補正がめんどくさいし、アタッチメントはかなりアバウトである。普段ノーファインダーのお前が何を云うかと怒られそうだが、さすがに13.5サンチともなるとノーファインダーは博打になる。勿論練習すれば成功率は上がると思うが、今のところ成功率を上げたいと思う程この距離に思い入れがない。いや、始めに嫌いじゃないと書いたけれど、この思い入れがないと云うところが、だいぶ嫌いに近いんじゃないか、と思えて来た。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-22 19:31 | Retina Ia (Ektar)

うる政やつら

 選挙の季節が来る度に、わたくしの超低い血圧がちょっと上がる。特に休日と、平日の朝夕だ。そう、街宣車が原因である。あの連呼を聞くと、地対地ミサイルを撃ち込みたい衝動に駆られる。幸か不幸か手許に地対地ミサイルの在庫はないので、ついカッとなってやってしまう出来心からは無縁でいられるのだが、ホント、基地外に刃物持たせたら何しでかすか判りませんのことよ? それにしても、アレはどう考えても迷惑防止条例の規制対象だと思うのだが、選挙てのは免罪符みたいなものなのかね。選挙カーに比べれば、右や左や宗教や訪問販売街宣車の方がずっとマシに思えるくらい、大迷惑だ。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-21 19:58 | Retina Ia (Ektar)

書を捨て町に出ようが出まいが

 ストリートスナッパーとしての技術が、とみに低下しております。光を読む力も、ノーファインダーの勘も、目測の技能も、3、4年前に比べてひどいものである。撮る回数が減ったのもあるだろうし、今は週末しか撮ってないから、インターバルの長いのも影響しているかも知れない。とは云え、義務感で撮ったところで巧くはならない。アマチュアフォトグラファは感興の赴くままに撮ってこそその存在意義がある。さればわたくしの感覚が鈍磨したのか。常々美は遍在すると公言しておき乍ら、その美を見出す技をどこへ置き忘れたのか。などと考え出すと鬱になって仕方ないので、とりあえずカメラを引っ掴んで表に出てみるのが先決であろう。まず絵筆を取って! レンブラントは悩める弟子に向かってそう云った。ストリートスナッパーたるもの、カメラを抱えて町に出なければ何も始まらない。幸い今は夏だ。わたくし、暑いのは大すきなのだ。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-20 20:33 | Retina Ia (Ektar)

写真屋さん

 引越後に使ってるDPE店は、5年前まで常連で顔も名前も覚えられてた店なのだが、メンバーは一人残らず入れ替わっていて、勿論最初から色々とやり直し。それはともかく、35ミリモノクロネガの現像が、以前は中1日だったのに、中4日になっててオドロいた。引越前のDPE店は中1日だったから、今度の店はよほどモノクロ客が少ないのか、出してる先にスタッフが少ないのか。いや、センターの数自体が減ってるんだろうな。

 ところでこの絵は合成です。焼いたらこんな感じにするつもりでスキャン合成してみたんだけど、へたくそですね。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-18 19:57 | Retina Ia (Ektar)

よくぼうのはて

欲しいカメラがほぼなくなりました。なんとゆうか、大変有り難いことなんですが、物慾がなくなるのは人としてダメなんじゃないかとも思います。やっぱりね、慾望があってこそ、人間は進歩するんだ。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-14 19:12 | Retina Ia (Ektar)

これがないと釣れない

 それは徳。
 ちなみに中世、徳のある人とは、金持ちのことを指す。
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Retina Ia (U.S. Ektar 3,5/50). Kodak SUPER GOLD 400
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by y_takanasi | 2008-09-27 19:01 | Retina Ia (Ektar)

釣具店

 釣具屋に行くと、その地域の釣目傾向がよく判る。特にこれはチェーン店で顕著だ。収益第一だからそれも当然であろう。とりあえずどこの釣具店でもバスとヘラの道具は揃っている。釣りと云う趣味が広がるのは嬉しいことだが、こうも一辺倒にバスかヘラかと云うのは、日本人の右へ倣え主義を見ているようで余り面白くない。海に近い地域では、当然のように海釣りの道具がいっぱいだ。海釣りと云っても堤防や磯、船と様々だが、ハゼ、キス、アジ、チヌあたりが定番で、ここでもやっぱりシーバス関係が圧倒的に多い。少し内陸に入ると、渓流やコイ、トラウト品目が主流となる。特にハヤとアユが目立っていれば、その地域はなかなかに良好な河川釣場を持っていると云うことだ。
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Retina Ia (U.S.Ektar 3,5/50) Kodak SUPER GOLD 400
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by y_takanasi | 2008-08-07 22:12 | Retina Ia (Ektar)

じゃばらーず

 レチナが先鞭を付けた35ミリ判折畳み小型カメラは戦前、戦後と数多くのエピゴーネンを生み出した。その多く、と云うかほとんどはドイツ製で、日本、アメリカ、そして他の西欧諸国のフォールディングカメラは稀である。35ミリ判と云うフォーマットが依然高級レンジであったことを考えると、後発国のカメラメーカーとしては廉価版の小型カメラを作る理由に乏しかった、と云うことだろうか。コピー大国ソビエトにおいては戦前は勿論、戦後に至っても全く製作されなかった。ミノックスのコピーであるキエフ35があるじゃないかと云う人もいるだろうけれど、蝶番式の蓋がついてりゃなんでも折畳みと云う訳ではない。

 さてこれらレチナのエピゴーネンの中でも異端と呼べるフォールディング小型カメラが、天下のツァイス・イコンが生み出したスーパーネッテルだ。折畳みカメラの身上である小型簡便さの欠片もないその図体は、勿論基本構造がコンタックスI型に負うているためである。実際、スーパーネッテルは鏡銅が蛇腹で折畳めると云う以外、一般的なフォールディングカメラの系譜上にはない。何よりシャッターがレンズシャッターではなく、フォーカルプレンなのだ。そんな折畳式カメラはゲルツ・アンシュッツ以来だろうし、実のところスーパーネッテル以降は現れていない。そう云う訳で、コレクターの中にはスーパーネッテルを折畳式カメラの仲間に分類するのを拒絶する人もいる。多分、その判断は正しい。スーパーネッテルはあくまで、フォーカルプレンシャッター小型カメラ、コンタックスの眷属に過ぎないのだ。
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Retina Ia (U.S. Ektar 3,5/50). Kodak SUPER GOLD 400
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by y_takanasi | 2008-08-05 19:41 | Retina Ia (Ektar)

Retina Ia

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 レチナIaだ。わが家のレチナはこれっきりである。あ、IIIcもあったか。でもアレ、シャッターがイカレちまったんだよな。これだからコムパーは。

 レチナIシリーズはご存知の通りレチナシリーズのボトムレンジを受け持つ、いわゆる入門カメラだが、高級機がほとんどクセノンとヘリゴンの2本立てなのに対し、レンズの種類が多いことで人気のあるラインでもある。ここにあげたIaも、USAエクターがついてることで比較的市場価値は高い。もちろんこのエクターはガウス型のF2ではなく、要はテッサーなのだが、無数にあるテッサー型レンズの中でも知名度と評価の高いことで知られる。あいにくわたくしのレベルでは本家テッサーとどう違うのか、指摘することも賞賛することもできない。よく写るな、と云うのが関の山だ。

 Iaはそれまでのノブ式からレバー式巻き上げになったカメラで、III型みたいにレバーが下ではなく上についてるから割合に使いやすい。シャッターはもちろんセルフコッキングだ。距離計はついてないから一見不便に思えるかもしれないけど、開放F値は3,5止まりだし、1mまでしか寄れないからさほど不安は感じない。ファインダーの小さすぎるのが難点なくらいだ。レチナのもう一つの欠点は、レンズを無限遠位置に戻さないとカバーを閉じられないことである。特に置きピンでスナップするI型ではコレが響いてくる。前蓋を開いて即シュート、というわけにはいかないからだ。もっとも、最初からカバーを開けて持ち歩けば何の問題もないのだが、それでは蛇腹カメラの愉しみを少しばかりスポイルするのである。
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Retina Ia (US Ektar 3,5/50). Kodak GOLD 200
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by y_takanasi | 2006-08-04 22:31 | Retina Ia (Ektar)