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Triotar 4/8,5cm

 トリオター4/8,5cmはコンタックスレンズシステムの中で、唯一のトリプレットレンズである。その登場は古く、コンタックスI型と同発の1932年だった。一般にトリプレットは画面中帯域での残存収差と、広角寄りでの四隅の乱れとが顕著に現われる傾向にあるとされる。これらの欠点は特に中判の広角トリプレットで目立つことが多い。しかし35ミリ判の、それも長焦点レンズとなると、それもだいぶ目立たなくなるか、ほとんど感知されないレベルに落ち着く。そのため開放の明るさを抑えれば、このクラスでは十分な描写力を持つレンズとなる。

 このトリオターもそのひとつだ。まだコーティングの施されていない戦前のレンズだが、構成枚数が少ないお陰で抜けも良く、発色も素直である。そしてその性能が優れていた証には、ゾナー8,5サンチと並び戦後もリファインされてコンタックスの終焉まで生産され続けたのだ。

 興味深いことに、F4の85ミリクラスのトリプレットには名品が多い。多いと云ってもあと2つだけだが、ライツのエルマー4/9cm(3枚玉)と、コダック・エクター4/90(エクトラ用)である。このどちらも生産本数は少なく、市場で見かけることはあまりないものの、傑作トリプレットとして評価は高い。
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BESSA R2C + Triotar 4/8,5cm, ILFORD DELTA 400
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by y_takanasi | 2005-06-23 06:00 | Triotar4/85