カテゴリ:Tessar2,8/50( 5 )

生まれいずる不幸

 ネタックスは不運なカメラだ。抑もの生い立ちはスーパーネッテルIIIであり、II型までの蛇腹を捨てて、固定鏡銅にランクアップしたものなのだが、欲張ってレンズ交換式にしたため、元々怪しかった立ち位置が更に怪しくなってしまった。大体スーパーネッテルはコンタックスの普及版として誕生したのだから、その後継者はレチナを目指しても良い筈だった。でもここでキュッペンベンダーか誰かの意地が出てしまったのだろう(キュッペンベンダーはブラコンの生みの親だけれど、ツァイス・イコンの進路については色々とマチガイを犯している)、フラグシップ機と同じようなスペックを要求して競合させるという愚を呈した。結果は散々だった。カメラが月給の数ヶ月分もするような時代に、コンタックスよりほんの僅か安いだけの普及版とやらが売れるわけがない。ネタックスの存在意義はだから、来るべきコンタックスIVの生産テストにしかなかった。実現しなかったコンタックスIVは、シュヴェンクカイルプリズムより対衝撃精度の高いドレーカイルプリズムを再び採用して、測距光学系の一端を交換レンズ側に持たせようとしていたのだ。商業的に大失敗に終わったネタックスは、交換レンズも2本しか供給されず、おまけのその主力レンズがニハチのテッサー5cmだった──ここでわざわざ明るい玉を採用すること自体が、性格の曖昧さを如実に顕現している──ものだから、今日ではコレクションとしての価値しかない。
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Nettax + Tessar 2,8/5cm. Tri X
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by y_takanasi | 2007-12-26 00:22 | Tessar2,8/50

2,8

 ニハチのテッサーは、恐らくツァイスが生んだレンズの中でも最高の駄作である。特に戦前のF2,8は、相当ひどい。周辺の流れは目に見えるほどだし、中央部の解像力すらサンハンに遠く及ばない。ツァイスはあくまでこれをゾナーの廉価版として位置づけており、ただ通常のテッサーより明るいという点にしか、存在意義はなかった。だから戦後ニハチのテッサーは東西どちらのツァイスもコンタックスのラインナップから外してしまったし、SLR用として復活した際は主力レンズというのではなく、脇役に過ぎなかった。確かにコンタフレックスでは標準レンズだったものの、普及版SLRにはこれで十分という判断が働いたのであろうし、それでも尚忸怩たるものがあったとみえて、最新のコンピュータ解析によって徹底的に改良されて甫て、性能的に安定したものとなったのである。ルドルフの危惧はここにおいて漸く解消されたと云えるだろう。とゆうことでニハチのテッサーを買うなら、60年代に入ってからのものが良い。
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Nettax + Tessar 2,8/5cm. Tri X
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by y_takanasi | 2007-12-25 00:11 | Tessar2,8/50

Werra IV

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 かつて手放したヴェラがまたやって来た。この手のカムバックは4度目、いや5度目だ。実は交換レンズが1本と、接写用アタッチメントだけ手許に残していたので、いずれ戻ってくるとは思っていた。いやこう云うと主体性がないようにも見えるが、要はまた物慾に屈しただけなんだよな。

 ヴェラはカール・ツァイス・イエナ名で発売された珍しいカメラだ。ふつうはツァイス・イコンかペンタコン名である。このカメラを作った工場は元々軍の小火器を作っていたところで、イエナの南西にある小邑に所在する。ヴェラとはこの町を流れる川の名前だ。

 このカメラが形態的に珍しいのはその巻き上げ機構だろう。つまりレンズ根元のリングを回すことでフィルム巻き上げとシャッターコッキングを行うのだ。云ってみればテナックスや、コニカIIIと似たようなしくみである。レンズシャッターの配置を考えれば、実はこのほうが理にかなっている。もっとも、リングをねじるように回すのだから、速写性はないに等しい。

 ヴェラIII以降はレンズ交換式で、これがまた全群交換式の豪勢な造りだ。交換レンズはフレクトゴン2,8/35とカルディナール4/100の2本が用意されていた。標準レンズはテッサーである。ファインダーには35ミリと100ミリのフレームも入っていて、ニコンS3やキヤノンPのような賑やかさだ。このファインダーがまた立派な造りで、クリアで見やすいことこの上ない。おまけに視度補正機構もついている。このファインダーブロックはそのままLOMOのレニングラードにも採用されており、東独ツァイスとソビエト光学産業が結構密接な関係にあったことを窺わせる証左である。

 唯一の弱点は距離計連動システムだ。ディアックスと同じピン式だから、長い間使っているとこのピンが摩耗して精度が落ちる。カルディナールを使う時はこれがネックになるだろう。ただし、よほどひどく使い込まれていなければ、50ミリ以下では支障はあまりない。

 ヴェラはノバー付きの初代から数えて全部で6、7種類が作られた。この数に色違いは含まれていない。距離計連動、目測、露出計搭載のそれぞれ組み合せがある。
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Werra IV + Tessar 2,8/50. NEOPAN 100 SS
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by y_takanasi | 2006-02-23 18:42 | Tessar2,8/50

へたれ

 寒いのでここ2ヶ月ほど釣りに行ってません。寒ブナは諦めたのかおれ。いやま、ただ寒いだけなら我慢もできるけど、風がびゅうびゅう吹くともう居ても立ってもいられません。そんな悪天で釣りすること自体、ちょっと間違ってるのですが、住んでるところでは無風でも、釣り場に行くと強風だったりして、なかなかうまく行かないもんです。陽気が良くなるまでカメになってるしかないのかなあ。でも寒バヤも良さそうだ。
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Contax II + Tessar 2,8/5cm. Kodak GOLD 200
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by y_takanasi | 2006-02-21 22:36 | Tessar2,8/50

かでん

 デジカメは家電だ。パソコンやTVと同じである。3年経てばひどく時代遅れとなり、5年もすればあちこちにガタが出、10年も使われることはないだろう。写真を撮るという目的からすれば、そんな寿命の短い家電じゃなくても、古いフィルムカメラで十分に撮れるのだから、何も毎年毎年繰り出される消費材じみた電気製品なんかに手を出さなくてもいいわけだ。
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Contax II + Tessar 2,8/5cm. Kodak GOLD 200
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by y_takanasi | 2006-02-12 20:03 | Tessar2,8/50