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なかみ

 ネジの頭が見えていると緩めてみたくなるのは男の性だろうか。キカイがそこにあると、とにかくばらして中を見てみたくなるものだ。そうして何がどう連結してどんな風に動いているのか、確かめてみたくなる。この衝動をフロイト的に解釈したところで、ありきたりのつまらない見解しか出て来ないから、そんな無粋なことはしないが、男に特有の、まあ、病癖の一種だ。

 学生の頃、生物の授業で解剖実習はすきだったし、得意でもあった。生物部の解剖研究に飛び入りで参加したこともある。そんなわたくしが医学を志さなかったのは、単にアタマが悪かったからだ。それに生きものは解剖するとまず大抵元に戻らないが、元に戻すような解体は経験したことがない。幸いにもキカイは元に戻すことが多くの場合可能だし、また簡単なこともある。

 写真はクロコンとM3(正確にはM2)の内部構造だ。M3のシャッターメカニズムが大変シンプルなのに比べて、やはりクロコンのそれは複雑怪奇である。巻き上げ時に予め幕速とスリット幅を決定して、露出時には先幕後幕とも同時に走行する。ライカのような一般的なフォーカルプレンシャッターが幕速は固定で、単に後幕の走行開始を遅らせるだけに比べると、随分と面倒なことをしているものだ。

 クロコンのファインダーはボディハウジングのほうにセットされているので、ここには見えない。一方でライカは伝統的にシャッターハウジングの上にファインダーブロックをおく。合理性だけで見れば、ライカのほうが筋が通っているが、これはA型から建て増し式にDIIIまで発展してきた当然の結果だろう。クロコンは最初からその構造を完成させたカタチで誕生した。ドイツのモノにしては珍しいタイプだ。もっともそのせいで、III型は完全に屋上屋を架する形になり、そうして戦後のaシリーズにはただ小さくするだけしか、改良の余地は残っていなかったのだが──
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by y_takanasi | 2005-12-20 22:45 | Distagon4/35*