カテゴリ:Sonnar2,8/180( 2 )

gaulois

 わたくしの身の周りにあるキカイは、カメラもくるまも萬年筆もドイツ製なのだが、別段ドイツが殊更にすきだって訳じゃない。ドイツ音楽はあまりすきじゃないし、文芸や哲学となるとむしろ嫌いなほうだ。ひとつにはステロタイプなドイツ観、つまり生硬で理屈っぽい点に肩が凝る。それは工業や科学、医学などにはうってつけなのだろうが、人間活動を多角的且つ肯定的に捉えるには不向きな姿勢だ。いや、ドイツ語圏からはフロイトとユング、それとクラフト=エビングと云った精神分析学の泰斗が輩出したではないかって? そうだ、それこそ正にドイツ的な思想の賜物なのだ。つまり彼らは、神の視点から人間を理解、規定しようとしているのだ。だが残念なことに、人間はどう足掻いても神にはなれない。そこにフロイト精神分析学の限界があり、ドイツ哲学の悲劇がある。勿論それら決して逃れ得ぬ人間の不完全性からの解脱の試みが、ある種の美しさを齎していることは事実だ。とりわけそれが工業製品の中に昇華する時、喩えようもない陶酔感を味わうこともある。しかし文芸や哲学の中に、わたくしはそれらを見出すことができない。わたくしはもっと泥臭い、地べたを這うが如き身悶えの中に、人間の美しさを見るからだ。それ故常に人ありきで始まるフランス文学と哲学のほうに、より共振を感じるのである。
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Pentacon super + Sonnar 2,8/180. Tri X
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by y_takanasi | 2009-04-14 22:22 | Sonnar2,8/180

うに雑感

 わたくしは食べ物に好き嫌いは殆どない。とりわけ魚介類は大好物だ。昔壱岐からの帰りのフェリーで食べた海胆弁当、船内弁当の安物だったのだろうが、あの味が忘れられない。因みにこのフェリー、半水上高速船だったのでロールが激しく、左右の窓に交互に空と海が見えるくらいだった。父は船酔いに参っていたようだが、わたくしは楽しくて仕方なかったことも覚えている。その父と先日、海胆の軍艦巻を摘みながら以下のような下らぬ話をした。

 ネタの海胆は卵巣であるのは周知のこととて、さてウニに食べられるほどのミはあるのか。あるとしてどんな味なのか。もっともそんなことはどこぞの漁港にでも行って探して回れば良い。我々の興味はそこにはない。つまり、ウニは雌雄同体であるが、一個体で生殖を完結することはない。須く他の個体を必要とするのだ。これはミミズやゴカイなどの環形動物でも同様で、我々の知る限り凡そ植物以外の雌雄同体は自家受精しない。では人為的に、ウニでもミミズでもいい、同一個体の精子と卵子を結合させる試みは成功するのだろうか。はっきり云って何の役にも立たなかろう実験を試みた研究者はいるのだろうか。わたくしはもとより父もそんな事例を知らないのだが、何語であってもいい、そんな研究論文なり梗概なり、あったら教えて欲しい。それともうひとつ、高等生物では原型の性は雌性であり、そこにオスを指向する遺伝子が作用することで雄性が発現する訳だが、雌雄同体ではどうやって雌性を保ったまま雄性を活性化させるのだろう。原理上、原生殖器が2つ存在し、且つ一方のみに雄性遺伝子が作用しなければならない筈だが……

 ところで雌雄同体はヒトにも発現することがある。この場合ある時期に卵巣なり精巣なりを切除し、残した性のホルモンを投与して人工的に性を固定する。かつて(今でも?)ヒトの雌雄同体──ヘルマフロディトスは一部の文人、芸術家を夢想境に誘った。エラガバルスはそれ故に自らのローマ皇帝たる地位と、生命までをも喪ったが、さて、ヘルマフロディトスは自家受精することができるのだろうか?
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Pentacon super + Sonnar 2,8/180. Tri X
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by y_takanasi | 2009-04-12 20:27 | Sonnar2,8/180