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表記法

 とあるカメラ雑誌でエクサクタ・ファレックスと書いてあるのを目にして、なんだか入れ歯を落としたじじいの呟きみたいだ、などと思う。エキザクタ、つまりExaktaだが、これはエクサクタと読むのが正しいドイツ語なのだが、そんなことには頓着しない。なるほど、確かにExaはエクサと読んで、エキザとは読んでいない。でもそれは慣用と云うか大勢がそう呼んでいるからで、どれだけ多く耳にして慣れてきたか、というだけのことだ。

 他にもある。フォクトレンダーのヴィテッサもそうだ。かの雑誌はフィテッサと書いていた。やっぱり歯が欠けている。確かにヴィテッサなら会社名もヴォクトレンダーと呼ばなければ、今度は統一性に欠けてしまう。でもいいのだ、欠けたって。

 もちろん多に従うを良しとせずとも、それはそのひとの勝手だ。おのれの信念に従えば良かろう。SummarがズマールならElmarもエルマールと云うべきだ、とのたもうたご仁がかつていたが、ズンマーと呼びたければそうすれば良い。わたくしだってMeyerをメイヤーと呼ばずにマイヤーと呼んでいる。それはMeyerに出くわしたときからマイヤーと読んでいたからであって、それ以前にメイヤーを知っていたらマイヤーなんてなんだか妙な気分になっていただろう。

 要は最初のインパクトと、慣れなのだ。映画人はcameraをキャメラと云うが、普通の人はカメラと読む。原音に忠実に、なんてことを云う連中もいるが、そこまで原音に義理立てする必要はもちろん、理由もあるまい。本気でこれを実行したら、ソビエトカメラなんかとんでもないことになる。フィェート、キーイフ、ヒリーアス、マスクワー。よろしい。言葉は人類史上最高の民主主義的なシロモノである。それが世に受け入れられるならば、徐々に広まっていくことだろう。そこに正誤は関係ないのだ。

 それではみなさんご一緒に、フィェート、キーイフ、ヒリーアス、マスクワー。やってらんねえよ。
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EXAKTA RTL1000 + Oreston 1,8/50. NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2005-08-22 20:29 | Oreston1,8/50