カテゴリ:Trioplan2,9/50( 2 )

すーぱー

 スーパーバルディナはとにかく変なカメラだ。もともと目測式フォールディングカメラの上に連動距離計を後付けしたシロモノだから、凡そ使い勝手というものが考慮されてない。珍しく距離計窓が背面向かって右側についてるので、右手でピントレバーを扱うとすぐ窓が塞がれてしまうし、かといって鏡銅の変なところについたレバーは左手では操作できない。シャッターレリーズレバーはシャッターに直づけのままだから、左手で前蓋を乗り越えて操作しなければならず、しかもその腕木がかなり妙な恰好をしている。このレリーズはひどく扱いづらいと当のバルダも判っていたようで、後期型ではリモート式になって軍艦部の近くで操作できるようになった。

 巻き上げはもちろんノブ式で、しかも巻き止め装置をそのつど解除しなければならない。もっともこの作法は他のフォールディングカメラでも同じようなものだった。これが必要なかったのは、戦前ではレチナとスーパーネッテルくらいだ。一方でビューファインダーにはパララクス補正装置がつている。もちろん距離計連動だ。ただしどの程度実用的かと云うと、ないよりマシだったかもしれない、というレベルのものである。

 そんなやっつけ感満載のカメラだが、玩具として結構気に入っている。レンズもマイヤーの普及玉、トリオプランがついていて、3枚玉の素朴な味わいを愉しむのにちょうどいい。そう云えばウチにある戦前のフォールディングカメラは、みんなトリプレットだ。
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Super Baldina (Trioplan 2,9/5cm). Tri X
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by y_takanasi | 2007-02-11 22:34 | Trioplan2,9/50

じゃばらーず

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 これらは1938年頃の折畳み蛇腹式中級カメラである。4機とも搭載されたレンズは3枚玉だ。このうちヴェルティックスだけが目測式で、あとは距離計連動式である。しかし焦点調節は、このヴェルティックスとスーパーネッテルがともに前玉回転式で、他の2台が全群繰り出し式なのに対してディスアドバンテージとなっている。

 シャッター機構に眼を移すと、さすがスーパーネッテルはツァイス・イコン製品だけあって、フォーカルプレンシャッターのセルフコッキング式だ。あとの3台はともにコムパーレンズシャッターで、コッキングも手動である。スーパーバルディナとドリナIIはレリーズレバーが変なところについていて、これが非常に操作しにくい。この点、ヴェルティックスはボディレリーズを採用していて操作性を高めている。もっとも後期型のスーパーバルディナでは、ボディ側の左手レリーズに改良されたようだ。巻き上げ機構はスーパーネッテル以外、どれも2段階式の面倒なシステムである。面白いことにスーパーバルディナの枚数計は逆回転もするので、巻き戻しに応じて自動復元すると云えばそう云える。

 レンズは最初に書いたようにすべて焦点距離5サンチのトリプレットで、ツァイスのトリオターを除いて開放値はF2,9と極めて中途半端だ。描写はどれも似たようなものである。トリオター3,5/5cmだけはひとつ抜け出しているようにも思えるが、錯覚と云ってしまえばその範囲かもしれない。しかしどの3枚玉も、サービス判で見る限りよく写っている。もちろん、すべてノンコート玉である。
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Super Baldina(Trioplan 2,9/5cm). AIKO LIGHTPAN 100 SS
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by y_takanasi | 2005-11-15 20:18 | Trioplan2,9/50