カテゴリ:Nikkor-H2/50*( 2 )

どろぬま

 さて、いよいよニコンの泥沼に足を踏み入れたのだが、根性なしのわたくしは進むに進めず、退くに退けない情けない状態に早くも陥っている。大体以前にニコンSを手放したとき、この沼はおっかねえから二度と来るまい、と思っていたのに、再び近づいてしまったのは単にテッサー型35ミリレンズを比較してみたいとゆう、割とどーでもいい動機からだった。それがニコンS系とコンタックスI型との互換性チェックとゆう、これまたどーでもいい理由で深みにはまり、疼くアウトフィット病とマウント増殖恐怖症との間で右往左往しているわけだ。いや、レンズは3本揃ってるからアウトフィットはひとまず完成しちまっているのだな。でもまだファインダーが揃っていない。

 ニコンのファインダー、これがまた異常に高い。西のライツ、東のニコンといった塩梅だ。一体ツァイスはアクセサリーを割とぞんざいに作る傾向があったのに対して、この2者は微細に穿って小間物を作り出した。これがまた細かく種類多く作るものだから、アクセサリー表はレッドデータブックみたいな様相を呈するのだ。こんなモノにまじめに付き合っていたら命(とゆうかカネ)が幾つあっても足りないので、どこかに線を引いてそこに達したらきっちり終わりにする覚悟を持たなくてはならない。それができない人はそもそもこんな沼に飛び込んではいけなかったのだ。もっとも、その泥沼で溺れることを楽しんでる人々もいるわけであって……
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Nikon S2 + Nikkor-HC 2/5cm. APX
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by y_takanasi | 2005-12-09 21:41 | Nikkor-H2/50*

Nikon S2

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 ニコンS2だ。レンズは3本持っていたところへ、ついにボディもやってきた。レンズがボディを呼び寄せる。普段とは逆のパターンだ。

 前にも書いたがわたくしはあまりニコンがすきではない。理由も幾つか書いたが、まず美しさに欠ける。距離計副対物窓の中央に寄った配置はコンタックスの出来損ないのようで気持ちが悪いし、S2以降のファサードの段差がその寄り目を不格好に際立たせていて、よけいに不安感を煽る。そうしてできたフォーカシングギア下の空白が、何とも云えないバランスの悪さと重心の右への偏りを生じて、決定的な均整を損なっているのだ。S以前であれば段差がないだけただの寄り眼ですんでいるが、中途半端な対称性が無駄な緊張感と両端に拡散する放縦性とを同時に出現させていて、これも美しくない。なによりファインダー窓の小ささが、自信のなさを表しているようで情けなくなってくる。仮にも日本光学の主力機だ。もっと堂々としてほしい。

 そんなわけで形而上の美しさはどうしても見出せないのが残念なのだが、一方即物的に見ると、これらは大変優れたキカイだし、堅実一途という点で非常に信頼のおけるカメラだ。もっともわたくしは、その信頼性という部分に大して重点を置いていないのだが、そんなコレクターの戯言はどうだっていい。これは1950年代に日本が生んだ傑作のひとつだ。その事実だけで手許に置く価値は十分にある。や、もちろん、実戦にも投入しますよ。
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Nikon S2 + Nikkor-HC 2/5cm. APX
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by y_takanasi | 2005-12-05 21:07 | Nikkor-H2/50*