ツァイス・イコン、と云うより、カール・ツァイス・イエナ最大の謎だと勝手に思っているのは、ゾナー2/85を戦後SLRに供給しなかったことだ。これは間違いなくツァイスの最高傑作のひとつなのだが、西がレックスまでリファインして生き長らえさせたのに対し、東はハナから無視してのけた。それどころか東西合併まで、ただの1本も85ミリ玉を出していないのだ。1,5ビオター、2,8テッサー、2,8ビオメター、1,4と1,8のパンコラー、全て75か80だ。対してソビエトはユピテル9を90年代まで、もしかすると今でも、作っているし、ヘリオス40なんて云う明るい玉も出して見せた。そうして不思議なことに、75も80も出していない。こうなるとCZJとソ連とで、何かの協定でもあったんじゃないかと勘繰ってもみたくなる。
Contax II + Biotar 1,5/75. Tri X