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ノンコートびよごん

 通称Big-Tailのビオゴン3,5cmは2本だけ所有している。1本は戦前のもので、もう1本は一般に戦中または戦後すぐの製造と看做される、Tコート付きだ。後者を手に入れてからはそれ許り使っていたので、この間は前者(これをノンコート玉と俗称する)を持ち出してみた。経験上、ノンコートビオゴンは斜光、逆光に極めて弱いので、フードは必須、純正は持っていないからハクバの40,5mm広角用を使う。そして露光は出た目より1段ほど多めにする。これで大体狙った濃度のネガができる。自分で焼くようになって思い知らされたのは、正しい(と云って語弊があれば適切な)ネガを作ることの大切さである。なに、大切と云って大仰ならば便利さ、とでも云おうか。つまり、それだけ後の工程が楽になるのだ。そんなこと、教則本にだって書いてある基本中の基本じゃないか、と云われるだろうが、アタマで判ってるのと実践するのとでは大きな径庭がそこにある。失敗することが許されるのなら、一度は失敗してみたほうがよく理解できると云うことだ。
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Contax II + Biogon 2,8/3,5cm. ILFORD DELTA 100
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by y_takanasi | 2011-11-29 19:25 | Biogon2,8/35

2,8/29

 漸く現像に出したフィルムの中身を改めてみれば、去年の絵があちこちに写っていた。たまたま知人が写っていたからいいものの、いつもの景色許りだったらいったいいつ撮ったのかも判らなかっただろう。

 PENTACON2,8/29という色気もへったくれもない名前のレンズは、旧東独マイヤー・オプティクの手になるエキザクタRTL1000用の広角レンズだ。マイヤーには既にリディート3,5/30と云う優秀な広角があったから、どうして公称1ミリ短いだけの中途半端なレンズを改めて設計したのか真意を測りかねる。勿論、より速い広角レンズを、と云う要求はあっただろう。だがF2,8クラスの広角なら、かのイエナCZがフレクトゴンシリーズを擁して同じ東独の、それもまた同じグループ内に存在していた。もっともフレクトゴンに35ミリと25ミリの間を埋める焦点距離はないので、その間隙を縫う意図はあったのかもしれない(それにしたって29ミリとは半端に過ぎる)。あるいはもう少し安価なシリーズとして企図されたのだろうか。RTL専用としてラインナップされた3本はどれもマイヤー製だ。但し、RTL用の29ミリは100ミリのオレストールと50ミリのオレストンに遅れて登場し、その時は既に名称も当初のオレステゴンから平凡なペンタコンに変わってしまった。今ではオレステゴン銘のレンズを探すのは困難になっている。
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Exa ver.5 + PENTACON 2,8/29. Kodak GOLD 400
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by y_takanasi | 2011-05-15 16:22 | PENTACON2,8/29

海が好き、てなんだっけ

 もう何度か告白しているけど、王様の35ミリが1本も手許にない。2/35はともかく、一家に1本はある筈の4/35もない。交換レンズを持ち歩かなくなってからと云うもの、SLRの35ミリはフレクトゴンがあれば事足りる。成程4/35のほうが数段恐ろしい玉なのだが、そこまで優秀なレンズはわたくしの撮影スタイルには必要ない、と感じるところがあったのだ。滅多に撮ることはないが接写ならフレクトゴンの方が寄れるし、倍率が欲しければ2/50がある。大体わたくしは35ミリを常用としないので、たまの35ミリならビオゴンと云う切り札がある。そうしてやはり、王様には1,4/55か2/85を付ける方が、ずっとしっくり来るのだ。うん、そう云えば、ゾナー使ってないな。
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BESSA R2C + Orthometar4,5/3,5cm. Tri X
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by y_takanasi | 2010-02-28 01:16 | Orthometar4,5/35

息長足姫

 現役のレンズマウントで、最長寿を誇るのがLTM、ライカねじマウントだ。シネカメラやら大判なんかは守備範囲外なので、とりあえず脇に置いておく。1930年以来、ちょっとした中断はあったけれど、未だこの日本でLTMレンズは作られている。その次はM42TM、プラクチカもしくはペンタックスねじマウントであろう。これももう、60年以上続いているようだ。プラクチカもライカも、これらのレンズをもはや作っていないが、どう云う訳かここ日本と、恐らくはロシアでもちまちまと新品レンズが生み出されているのだから、デファクトスタンダードてのは恐ろしいものだ。

 さて我らがコンタックスのレンズマントであるが、これも息は長かったものの、1990年代に滅亡してしまった。ソビエトが崩壊していなければまだ続いていただろうにと思うと、何がなし残念な気もする。さすがにこのマウントで新レンズを供給する蛮勇はコシナにもなかったようで、ボディは作ってもレンズはニコンSマウントで体よくお茶を濁してしまったのが恨めしい。尤も、コンタックスボディに合うのはツァイスレンズを措いて他にない、と云うテーゼを理解した上での決断だとすれば、然様な事態も肯んじるに足るであろう。
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Contax I + Biogon2,8/3,5cm T. ILFORD DELTA 100
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by y_takanasi | 2009-12-11 21:04 | Biogon2,8/35

噫々参拾伍粍

 そう云えばここ最近35ミリ玉を使っていませんね。てことで先日の墓参りにびよごんを持ち出してみた。35ミリの画角をもうすっかり忘れ去っているので、ファインダーも装着、カメラがグロテスクな機械に変貌する。このグロさがRFカメラの美しさであろう。それはともかく、まァなんと距離感の掴めないことか。35ミリってこんなに広かったっけ、と呆けて思い悩むくらい、勝手が判らん。なんだか気持ち悪いぞ。
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Contax I + Biogon 2,8/3,5cm T. ILFORD DELTA 100
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by y_takanasi | 2009-11-14 22:23 | Biogon2,8/35

噫々国産

 日本製のRF用レンズには余り興味がないのだけれど、それでも一度は使ってみたい玉はある。例えばシムラー(トプコール)1,5/5cm。例えばフジノン1,2/50。そしてズノー1,1/50。勘のいい人なら判ると思うが、これらはすべてゾナー型のアレンジだ。そう、ゾナーフェチのわたくしとしては、誘蛾灯に群がる蛾の如く、前群の接合トリプレットに惹かれてしまうのだ。不幸にしてどれもこれもレアでバカ高いから、手にすることはおろか目にすることもないんだろうな。同様にして惹き付けられたCゾナー1,5/50ZMはコシナ製だけれど、ツァイスの設計だから日本製とは云えない。そしてこれは確かに良いレンズだったが、金欠の折に手放してしまった。余裕ができたらまた使ってみたい玉のひとつだ。そう云えばキヤノンの1,8/50も割合に面白かったが、こいつもやっぱり放出してしまった。どうにも、日本で作られたレンズが手許に居着かない性分である。
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Contarex super + Planar2/50(early). film unknown
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by y_takanasi | 2009-11-13 23:28 | Planar2/50

さんまいぐみ

 今まで使ったトリプレットの中で、一番よく写ったのはロライB35のトリオターだ。残念乍らモノクロではほとんど撮らずに手放してしまった。次点はコンタックスのトリオター4/8,5cm。逆に一番ひどい写りだったのは、と云うと、少なくとも手持ちの中ではそこまで唸るようなものはなかった。確かにペロナーなんかはふわふわしていたけれど、使い物にならんと云うほどのレベルじゃない。カラー・シンターも面白みは全くないがちゃんと写るし、ノバー、パンター、ドミプランと云った低廉玉はむしろ価格以上の描写を見せる。大伸ばしに耐えられるかどうかは別の話だ。しかしわたくしの焼きは六ツ程度なので、さほど不便を感じない。むしろ半端なテッサー型の方が、時としてひどい写りを見せるものである。因みに中判だが、フォクターのF3,3はダメダメだった。
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Contax I + Sonnar1,5/5cm(late). ILFORD DELTA 100
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by y_takanasi | 2009-09-12 22:09 | Sonnar1,5/50

根矯めた

 Contaxの接写装置、Contameterには2種類あって(ファミリー自体には他にIkontaやTenax用などもある)、1340がContax III用、1343がIとII型の兼用だ。兼用と云ってもブラコンとクロコンとでは、レンズ光軸からアクセサリシューまでの距離と方向に微妙な差異がある。しかしそのくらいは大した問題じゃない、どうせトリミングするんだし、くらいの考え方なのだろう。バルナック型ライカと違い、ツァイスは接写にあたってレンズの繰出し量を操作するのではなく、光学的補正によって所与の目的を達することを選んだ。そこには光学設計に於ける自信が見え隠れする。この時から始まって、ツァイスには専らアタッチメントレンズによる補正を好む節が見受けられる。東のツァイスはヴェラにさえ、Contatestに似た近接アクセサリを用意した。でも戦後の潮流が当の東イコンとペンタコンとによってSLRにシフトしていったため、RFカメラの近接アクセサリは急激に顧みられなくなっていった。横着なことでは引けを取らないわたくしも、1m以下の被写体ならSLRを専らとする。こうやってわざわざContameterなんて使うのは、ねこを撮るためと云うよりも、正に使うために使っているだけのことだ。尤も、わたくしの写真道楽は機材を使うことに第一義を見出しているのだから、それはそれで無問題なのであった。
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Contax I + Sonnar1,5/5cm(late) + Contameter. ILFORD DELTA 100
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by y_takanasi | 2009-09-11 20:34 | Sonnar1,5/50

ひゃくさんじうご

 コンタックスレンズでこれまでにただの1回しか使ったことのない玉がある。持っていないビオターと18サンチゾナーは別として、ゾナー13.5サンチだ。この13.5サンチと云う焦点距離、けして嫌いでも苦手でもないのだが、ナゼかろくに撮ったことがない。王様のゾナー4/135も、エキザクタマウントのマイヤーオレストール2,8/135も、ユピテル11も、ただの1回だけだ。2回以上撮影に持ち出したのは、エルマリート2,8/135だけである。クロコンで使わない理由は多分、ファインダーの問題だ。ターレットファインダーは補正がめんどくさいし、アタッチメントはかなりアバウトである。普段ノーファインダーのお前が何を云うかと怒られそうだが、さすがに13.5サンチともなるとノーファインダーは博打になる。勿論練習すれば成功率は上がると思うが、今のところ成功率を上げたいと思う程この距離に思い入れがない。いや、始めに嫌いじゃないと書いたけれど、この思い入れがないと云うところが、だいぶ嫌いに近いんじゃないか、と思えて来た。
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Retina Ia (U.S.Ektar3,5/50). NEOPAN 400 PRESTO
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by y_takanasi | 2009-08-22 19:31 | Retina Ia (Ektar)

le nom

 わたくし、日本製のレンズは嫌いじゃないのだが、どうも手許に長居しないのである。今では僅かに5本が残るのみだ。レンズ自体100本以上持っていると云うのに、この数はないんじゃないかとも思う。手許に残らない、つまり愛着が湧かないのは性能のせいではなく、単に名前が原因なんだと思う。早い話、どれもこれも同じネーミングで、面白くもなんともないのだ。

 名前と云うものは常に恣意的に付けられ、そこにシニフィエとの因果関係はまるでないものだが、経験と云う時間の積み重ねが相応関係を発生させて固着する。そうなるとシニフィアンとシニフィエの関係は意識下にコントロールされるものではなくなるから、これを乱す新たな視聴感覚は我々を混乱させるのだ。それ故初期段階での命名と刷り込みはとても大事なことなのだが、日本のレンズはこのプロセスを余りに軽んじてしまった。会社名や単一名によるブランド統合は確かに全体的なブランド戦略に貢献する。だがそれは同時に、個々の製品の主体性を喪わせ、名前だけで個をありありと想起させると云う、名前の有つ効能を捨て去ることとなる。

 しかしこうやって考えると、日本のレンズが辿った途は、ある種極めて日本的な価値観に正しく沿ったものなのかも知れない。即ちそれらレンズの性格は、焦点距離と明るさ以外に何ら差異を持たない均一なものであるべきだ、と云うことである。これは一面において写真レンズの正しい展開の仕方だろう。少なくとも、交換レンズを選ぶ際の基準を画角とスピード以外には置かないような人々にとって、この均一性は頗る重要なことなのだから。
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Beseler Topcon Super D + RE,Auto-Topcor2,8/35. FUJIFILM SP400
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by y_takanasi | 2009-08-02 21:09 | RE,AutoTopcor2,8/35