ヘリオス103は94の後継として1970年代に製作された、キエフ4用の標準レンズである。ヘリオス94がキエフ5専用の特殊外爪マウントだったのに対し、103はゾナーやユピテル同様、ふつうの内爪マウントだ。レンズ構成は4群6枚で、その名が示す通りダブルガウス型である。但し、細かい仕様は判らない。まったくのオリジナル設計なのか、それともライツやツァイスのコピーなのか。いずれにしろ、描写は極めて良好と云える。
鏡胴本体は真鍮製のしっかりした造りだが、外装は見るからに安っぽい樹脂製である。ちょっとアヤシげな等間隔絞りには、クリックストップがついている。それまでのユピテル標準レンズ同等、小さく比較的軽い。
ヘリオス103は1980年代末までキエフのアルセナルで生産されていたが、ソビエト崩壊後、メノプタと名前を変えて生産継続されたものと思われる。
Kiev 4am + HELIOS-103(1,8/53). Tri X