滅び

 閉店や廃線間近の店舗や路線が、陳腐に「別れを惜しむ」と形容される集団によって一時の盛況を見せる度に、最後の輝き、あるいは徒花と云う言葉を思い出す。その集団の中に本来のファンは、ほんの僅かしかいないだろう。大部分は「別れを惜しむ」イベントが大好きなだけのお祭り人間である。彼らには往古の有様などどうでもよく、まして復興の可能性にはまったく興味も持たず、ただ目の前の消えゆく光景をもって感傷に浸ることができれば満足なのだ。いや、感傷と云うよりは感興と云うべきか。それは哀しみではなく、愉悦なのだから。彼らはただその対象を食い潰すだけで、あるいはその後に来るかもしれない再生には決して力を籍さない。彼らはその意味でもハゲタカであり、ハイエナである。彼らが欲しいのは、その場限りの美しい想い出だけなのだ。これが桜大好きな日本人のメンタリティなのであろう。
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Contax II + Sonnar 1,5/5cm. Tri X
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by y_takanasi | 2013-05-25 20:47 | Sonnar1,5/50


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