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Lordomat SLE

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 ロードマットSLEは1960年、前年のロードマットSEに非連動露出計を搭載した上位機種として、ヴェッツラーのライドルフ社から登場した。ファインダーは35ミリから135ミリまでの4フレームを有し、パララックス補正も利くようになっている、1眼式距離計連動カメラとしては高性能な部類に入るカメラだった。

 ライドルフ社は1950年代から60年代にかけて小型カメラを作っていた中小メーカーで、そのラインナップには目測式ライドックス及びロードックスと、RF式高級機ロードマットの2種類のシリーズがある。最初のロードマットはコンタックスIIと同じような1眼式RFだったが、C35で90ミリと135ミリのファインダーを増築し、SEでひとつのファインダーに4フレームがまとめられた。パララックス補正もC35では手動だったが、SE以降は自動である。このファインダーは素通しの等倍アルバダ式ファインダーで、間にハーフミラーを蒸着したガラス板が配置されているだけの、カンタンだが効率の良いものだ。もっとも4フレームのうち、35ミリはかなり強引に設けられているので、実用にはあまり役立たない。シャッターはゴーティエ社のプロンターSVSを継続して採用し、巻き上げは独特の手前に引くダブルストロークレバー式である(SLEの後期にはふつうの巻き上げレバーになった)。

 レンズマウントはヴェラやディアックスと同じようなスピゴット式で、レバー式の距離計連動機構を備えている。標準レンズとしてエナ社からF2,8のロードナー50ミリ、それにF1,9のロードン50ミリが供給されていた。この他にミュンヘンのシャハトから35ミリのトラベター、90ミリと135ミリのトラベナー(銘はロードナー)が用意されており、当時の一般的なレンズ交換式カメラの全スペックを備えていたと云える。
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Lordomat SLE + Lordon1,9/50. NEOPAN 100 SS
by y_takanasi | 2006-02-17 20:49 | Lordon1,9/50


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