この対極にあるのがアンジェニューX1だろうか。パリのピエール・アンジェニュー社のレンズで、同社はシネカメラ用のレンズで名高いメーカーだ。ズームレンズも早い時期から手がけている。このタイプX1は、絞り開放では強烈なハロを伴って、まるでソフトフォーカスレンズのような写りを見せる。5,6も絞ればだいぶシャープさを増してくるが、全体的にソフトな描写で決してコントラストも高くない。絞っても見た目の深度は浅く、パンフォーカスで使うのはほぼ無理と云って良いだろう。使い方の難しいレンズだが、ぴったりはまるとなかなかに得難い絵が作れる。
BESSA R2C + TYPE X1